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石綿(アスベスト)への対応
石綿(アスベスト)は、天然に出来た鉱物繊維です。熱に強く、摩擦に強く切れにくい、酸やアルカリにも強く変化しにくいという特性を持っている為、昭和30年ごろから多くの場所で使われてきました。鉄骨造建築物などの軽量耐火被覆材として、昭和40年代の高度成長期には大量に使用されています。 この石綿粉じんを吸入することで、次の様な健康障害が発生する恐れがあります。
◆石綿肺
- 肺が線維化し、次第に肺が縮みかつ硬くなり咳などの症状があり、呼吸困難を生じる。
◆胸膜および腹膜などの中皮腫
- 肺を取り囲む胸膜などにできる腫瘍。
石綿による健康障害ではないかと思われた時には、下記にご相談下さい。
- ・最寄の労働基準監督署
- ・都道府県庁の産業保険推進センター
- ・労災認定病院 その他医療関係機関などへご相談下さい。
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建築物に石綿含有建材が使用されているのでは、と思われたときは、下記にご相談下さい。
- ・建設業労働災害防止協会(03-3453-8201)
- ・中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センター(03-3452-3068)
- ・大阪労働衛生総合センター(06-6448-3784)
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内装工事(リフォーム)工事については、先に紹介している各都道府県の組合にご相談下さい。
- ・労働安全衛生施工令、労働安全衛生規則、石綿障害予防規則などにより、石綿含有建材などが使用されている建築物の工事作業を行うには、特定化学物質取扱作業主任(平成18年4月1日より石綿取扱作業主任)の指導の下に「石綿取扱作業従事者の特別教育講習」を受けた者でなければ、現場作業に従事する事は出来ません。
- ・日本室内装飾事業協同組合連合会(日装連)では、都道府県の知事認可の49組合に石綿取扱作業従事者の講習会講師を置き、組合員とその従業員などの教育を行う事業を進めています。
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石綿とは何でしょうか
- ・石綿(いしわた・せきめん・アスベスト)は、燃えない繊維として古来より神秘化され、非常に貴重な物として扱われ、「アスベスト」という言葉は「焼き尽くせない」、「永久不滅」などのギリシャ語から出たと言われています。
- ・石綿は繊維状の工業的に使用されてきた鉱物の総称で、蛇紋(じゃもん)石族と角閃(かくせん) 石族に大きく分けられています。
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鉱物名 |
石綿名 |
備 考 |
蛇紋石族 |
クリソタイル |
クリソタイル(温石綿=白石綿) |
ブレーキライニング |
角閃石族 |
グリュネ閃石
リーベック閃石(曹閃石)
アンソフィライト(直閃石)
トレモライト(透閃石)
アクチノライト(陽起石)
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アモサイト(褐石綿=茶石綿)
クロシドライト(青石綿)
アンソフィライト石綿
トレモライト石綿
アクチライト石綿 |
吹き付けに使用 |
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石綿の特性
- ・石綿は、耐熱性、保温性、耐摩耗性、断熱性、防音性、絶縁性、耐腐食性、化学安定性など、他の鉱物では見られない多様な性質があります。
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石綿と建材
- ・石綿はセメントのもろい性質を補強するものとして、石綿+セメント+水の石綿スレートが、1900年(明治33年)にオーストラリアで発明され、建築材として使用されました。 石綿含有成型板は、屋根、外装、床材(ビニール床タイル、フロアー材)、耐火間仕切り、内装材として、壁・天井に使用されました。 また、石綿とセメントの合剤は、建築物の鉄骨と梁などに吹き付けられ耐火被膜材として、建築物の壁・天井に吹き付けられて吸音、結露防止として、空調ダクトなどに吹き付けられて保温材として、使用されました。
- ・建材以外では、電気絶縁版(配電盤など)、自動車(ブレーキ)、造船、織物、接着剤など、その他幅広く利用されました。
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2004年10月の「石綿含有建材の製造と使用の禁止」への対応
- ・日本は、石綿含有板を1904年から輸入していましたが、1917年に生産し始めました。2004年に労働安全衛生法施工令で、石綿粉じんを吸入することにより健康障害が発生する恐れがあることから、製造、使用などが禁止されました。しかし、安価な石綿は1960年から輸入量が増え始め、1970年から1990年にかけて大量に輸入され、建築物に使用されてしまったのです。
- ・今後この建築物の建て替えなどの工事が発生します。法を遵守して作業を進めないと、作業従事者や周辺の人たちの健康に、障害の発生が懸念されます。日装連は、石綿関係の関連法規の周知・遵守の徹底を図り、障害の予防に勤めてまいります。
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